e-LOUPEの旬ネタコラム
- 新築戸建て
新築住宅なのに虫が発生!?原因は〇〇にあった
年度の切り替わりの時期でもある1月~3月に新築住宅のご契約をされる方も多いと思います。
そんな方々から春先から梅雨にかけて多くお問い合わせいただくのが「室内での虫の発生」です。
この時期になると「巾木の下やタイルの目地の下から小さな虫が何匹も出てくる」といったご相談が毎年多く寄せられるようになります。
確かに新築住宅で虫が発生すると
「新築なのに虫が出るなんておかしい」
「建物のどこかに欠陥があるのでは」
と不安を感じてしまうのも仕方ないと思います。
今回は新築住宅でよく見かける虫についてご紹介していきます。
目次
「新築」の方が虫が発生しやすい
まず前提条件として覚えておいて欲しいのは、たとえ新築住宅で虫が発生したとしても、ほとんどの場合欠陥ではなくごく普通の現象だということです。
新築の建物には虫たちの好物である「湿気」が多く含まれています。
これは新築住宅の木材やコンクリートには加工されてからの日数が浅く、水分を多く含んでいることが原因です。
また、虫にとって建物のみえないホコリなどは恰好のエサとなります。
こういった事から、新築の建物の方がより繁殖しやすい環境となっているのです。
もし室内に虫が発生してしまった時の対策
根本的な対策は「建物全体の湿度が安定するのを待つ」ということです。
それ以外の方法ではほとんど効果が得られないといっていいでしょう。
例えば、湿度の安定と聞いてまず思い浮かぶのは除湿機だと思いますが、除湿機では建物そのものが持つ湿気を取り除けないため、効果は非常に限定的です。
また、殺虫剤や燻蒸材ではその場にいる個体は駆除できるものの、殺虫成分が届かない壁中などに潜んでいる個体までは駆除することができないので根本的な解決は困難です。
ただ、「そうは言っても何とかならないものなのか」という場合は物理的な対策がおすすめです。
養生テープなどを用意し、虫が発生している箇所を塞いで物理的に侵入を防ぐようにしましょう。
代表的な新築戸建てに出現する虫
新築の住宅で発生する虫としては以下のような種類が挙げられます。
いずれも建物に対して直接害を及ぼす生き物ではありませんが、人間にとっては
コクヌストモドキ
梅雨の季節になると発生します。人を刺したり建物を食べてしまう事はありません。
幼虫は食品害虫として知られていますが、新築の建物では巾木下の小さな隙間から出てくるのを見かけるケースの方が多く見受けられます。
建材の塗料が出す特殊なニオイに誘引されているのではないかという説もありますが、はっきりとした原因は特定されていません。
チャタテムシ
少し季節がずれますが、夏から秋の高温高湿のジメジメした環境になるとよく発生するようになります。
コクヌストモドキと同様に人を刺すことはないものの、死骸がアレルギーの原因となったり、チャタテムシをエサにしている「ツメダニ」の発生原因となることがあります。
段ボールを好むので、もしチャタテムシが室内に発生している場合は段ボールを取り除くことをおすすめします。
押し入れやクローゼットなどの湿気が溜まりやすい場所には特に気を付けましょう。
ホソヒラタムシ
ホソヒラタムシは湿気や暗い場所を好む虫です。
本来はコメや菓子類を食べる食品害虫として知られていますが、新築住宅では特に食べ物がない場所でも夜になると部屋の隅から発生する、という事例があります。
これは壁の内側の小さなホコリなどを食べているからではないか?と考えられています。
壁の中から出てくるのを見られた人の中には「建物を食べているのではないか」と心配される声もありますが、木材に被害を及ぼす事はないのでご安心ください。
カツオブシムシ
涼しい気候の時期を好むので、春先からゴールデンウイーク頃に見かけます。
成虫は花粉などを食べて育ちますが、白い花を好むので菊の花などにくっついているのをよく見かけると思います。
外に干していた洗濯物に成虫が付着し、そのまま家の中に取り入れてしまう事が多いようです。
幼虫は部屋の見えないホコリやアカなどを食べて育ちますが、衣類の虫食いの原因にもなります。
暑いのが苦手で、夏になり気温が30℃付近になると次第に活動も鈍くなります。
ゴキブリ
新築であっても室内でゴキブリを見かける可能性は十分に考えられます。
とはいえ室内で営巣活動を行っているケースはほとんどなく、原因の大半は外からの侵入です。
毎日見かけるほどの頻度でないのであれば窓や玄関などの開口部を利用した建物外部からの侵入です。
侵入そのものを予防することは難しいので室内で見かけた時はその都度毒エサや殺虫スプレーで対応しましょう。
新築で放置したらマズイ虫
新築住宅で発生する虫は大半が放置しても問題のない虫です。しかし例外も存在します。
それが「シロアリ」です。シロアリは建物の木材を食べる生き物で、放置すると木材の強度が低下してしまう恐れがあります。
シロアリは基本的にはある程度築年数が経った建物で発生する生き物です。しかし中には新築でも4月後半から5月前半にかけて玄関先でシロアリの羽蟻が飛び立つのを見かける事があります。
原因として、コンクリートを打設した際の木でできた型枠の土中への放置などが考えられます。
新築時に予防措置がしっかりされている建物であれば心配は不要ですが、中にはベタ基礎の仕様で薬剤措置をせずに保証だけ出している、という場合もあります。
もし春先にシロアリの羽蟻を見つけた際には、一度建物が薬剤によって守られている仕様か確認してもらうことをおすすめします。
まとめ
今回は新築で発生する虫についてご紹介してきました。
大半の虫は、年数がある程度経過すれば収まってでてこなくなるケースが大半です。
確かにせっかくの新築住宅に虫が発生してしまうのは残念だと思いますが、時期が来ればいなくなるものです。デープでふさぐなど、できる限りのことをしつつ収まるのを待つのが賢明だと思います。
また、稀なケースではありますが新築でもシロアリの発生は起こり得ます。
建物の外部で発生していた場合は問題ないのですが、シロアリ発生の背景には雨漏りなどの深刻な不具合が生じている場合もあります。
もし虫の発生以外に壁や天井にシミができている、などの違和感を感じた場合もすぐに専門家に相談した方がいいでしょう。
「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。