e-LOUPEの旬ネタコラム
- 中古戸建て
中古住宅を購入後のトラブルを防ぐには?事例・対策などをご紹介
「中古住宅は安いし立地もいいし魅力的だけどやっぱり購入後にトラブルが起きるかもしれない事を考えるとちょっと怖い・・・もし中古住宅を買う場合は購入後にトラブルが起きないようにするにはどうしたらいいんだろう・・・?」
このような不安を持っておられる方も多いのではないでしょうか?
このページでは中古住宅を購入後に「失敗した!」と後悔してしまわないように
- 中古住宅では実際に購入後にどのようなトラブルが起こり得るのか
- トラブルに巻き込まれないようにするにはどうすればいいのか
というテーマでお話をしていきます。
目次
中古住宅の購入後に起き得るトラブル
シロアリの被害
中古住宅の購入後に気をつけないといけないトラブルの1つにシロアリの被害があります。
日本の木造家屋は新築時にシロアリ対策をしないといけないことが建築基準法で定められており、新築間もない建物でシロアリの被害が起きるケースはほとんど見受けられません。
しかしシロアリの薬剤の効力は一般的に5年で消失するので、再施工などの対策を行っていない無防備な家屋はシロアリ被害のリスクが年数を重ねるごとにどんどん上がっていきます。
シロアリの被害で気をつけないといけないのは、シロアリの建物への侵入から床下での被害の進行、羽アリの発生による被害の発覚、とある程度の時間を要することです。
個人との取引では引き渡し後の中古住宅に対して責任を負う期間は一般的に3カ月です。
それに対してシロアリ被害が発覚するきっかけとなる羽アリの発生は1年に1回のタイミング(5月頃)でしか起きません。
被害に遭っている事に気づかないまま3カ月が過ぎてしまっていた、となるケースも十分考えられます。
たとえ購入時にはシロアリの被害がなかったとしても、建物がシロアリに対して無防備なことに変わりはないので、注意が必要です。少なくとも過去に防蟻再施工を行った記録が残っているか確認しておくのが無難だと思います。
雨漏りの被害
中古住宅では雨漏りが発生してしまっている事があります。
雨漏りが発生している事がわかるのは主に小屋裏ですが、日常生活ではほとんど目にする事のない場所なので、シロアリと同じく被害が発生していることに気づきにくくなっています。
雨漏りは放置すると木材が腐朽して被害がどんどん周辺に拡大していき、シロアリの誘引にもつながります。雨漏りが発生してしまうと建物の寿命が大幅に短くなりますので気をつけなくてはいけません。
漏れた雨水が天井裏に垂れてきていてシミができたので気づいた、という状況であればまだ早期に気づけるかもしれませんが、外壁からの侵入のような例だと発覚するのも遅くなりがちです。この場合もやはり気づいた頃には契約書で取り決めた保証期間を超えてしまっている場合が多いと思われます。
雨漏り被害のトラブルに遭うリスクを小さくするには中古住宅の場合はやはり「過去のメンテナンスの履歴」を調べるのが確実だと思います。クロスなどの内装のきれいさだけでなく、これまでの修繕の書類の有無を売り主に確認することも大切です。
給排水管の故障
給排水管は経年による劣化で水漏れのトラブルが発生するリスクが大きくなっていきます。
万が一「住み始めてから何となく異臭がするので調べてみたら配管で水漏れが発生していた」というような状況になってしまうと修繕に費用がかかったり、不具合の発生のしかたによっては修繕の間別居することになったり、様々な手間がかかってしまうことになります。
こちらも契約前に過去に配管の不具合が起きたことはあるのか、そのときはどのような修繕をおこなったのか、あらかじめ売り主に確認をすることが大切です。また、台所や洗面所に点検口もしくは収納庫がある家ならばそこから床下のぞいて配管を確認することができます。
ただし、配管は点検口からのぞいただけでは見たい配管がある場所を正確に目視で確かめることができないケースがちらほら見受けられるので、直接床下に進入して確認することをおすすめします。
立地による浸水の被害
物件の購入後に記録的な大雨により床下が浸水してしまう事例も見受けられます。こういったイレギュラーな浸水に関しては予測が難しく、売り主に責任を追及するのは難しいので注意しなければいけません。
一応売り主は「過去に浸水の被害は発生していない」というような形で説明を行ってくれるとは思いますがその言葉だけで無条件に安心してしまうのはリスクであると言えるでしょう。
少なくとも購入予定の中古住宅がある地域が水害のリスクが高い地域かどうかを「ハザードマップ」を参考に自分の目で確認しておいた方がいいと思います。ハザードマップは各自治体のホームページなどでも公開されています。
また、大規模な水害以外にもゲリラ豪雨などの際に敷地内に水が溜まりやすくなっていないかどうかも見ておいた方がいいと思います。例えば、車庫が掘り込み式になっている場合は大雨が降った時にその影響を受けやすいといわれています。
しかも車庫は床下のシロアリや小屋裏の雨漏りと違い実際に買い主自身の目で確かめている分、売り主に不具合についての責任を問うのが難しい傾向にあるので注意が必要です。「怪しいな」と思ったときは天候が雨の日に水の流れを確かめて置くのも手段の1つです。
中古住宅の購入後のトラブル対策
中古住宅の購入後にトラブル対策としては、次の3つの方法が効果的です。
・事前に契約書の内容をしっかりと確認する
・瑕疵保険への加入を検討する
・ホームインスペクションを実施する
事前に契約書の内容をしっかりと確認する
まずは売買契約を結ぶ際に「どのような契約になっているのか、何かあった時にどのような責任を負ってくれるのか」という点を確認しておく必要があります。
中古住宅の場合は10年間の品質の保証が義務付けられている新築と違い、売り主の責任が3カ月だけ、というように免責されている場合が大半です。
中には「引き渡し後は一切の責任を負いませんよ」というものもあるので、「リフォームがされていてとてもきれいそうな物件だから大丈夫だろう」といった風に見た目だけでなく、契約内容にもしっかりと目を通すようにしましょう。
瑕疵保険への加入を検討する
瑕疵保険は正式名称を瑕疵担保責任保険といい、売買契約を結ぶ際に専門の検査員による住宅の検査を行い、その建物の保証適合が認められた時は万が一の事故が発生した時に修繕のための保証金がおりるサービスです。
保険会社は現在5社あり、保証期間はいずれも2年または5年となっており、通常だと3カ月しかない保証期間を大幅に伸ばす事ができます。
瑕疵保険は以下のポイントには注意をする必要があります。
・瑕疵保険の加入者はあくまでも「売り主」になる
・保証が適合でも建物に不具合がないわけではない
まず、前提条件として瑕疵保険への加入はあくまでも売り主が行うものになります。契約前の段階で「瑕疵保険に加入してほしい」という旨を売り主に相談しておきましょう。
ここで注意しなければいけないのは瑕疵保険の検査員はあくまでも「限られた期間中の保証を出せるかどうか」という見方で建物の検査を行います。検査結果は「適合」か「不適合」という形でしか伝えられないのでそこから「建物が今具体的にどのような状況なのか」を判断することはできません。「保険への加入ができたから問題ない建物だ」と安心してしまうと、保証が満了したころに何かしらの不具合が発生する・・という事も起こり得る事を覚えておきましょう。
ホームインスペクションを実施する
最後にホームインスペクションの実施が中古住宅の購入後のトラブルを回避する手段として有効です。ホームインスペクションでは、主要な構造体に異常はないか、建物への雨水の進入はないかなどを細かく調査することによって、建物に指摘事項がないかどうかを事前に知ることができます。
ホームインスペクションも瑕疵保険の加入検査と同様に検査員による検査を行いますが、ホームインスペクションでは、より広範囲に及ぶ点検をし調査結果も「適合・不適合」のようなとらえ方だけでなく、現状はどのようになっていて、何年後にはどのようなことをしなければいけないかという部分まで具体的に知ることができます。
瑕疵保険はあくまでも「構造上の不具合」を対象としているので、それ以外の設備の調査や蛇口のパッキンの劣化による水漏れなど、より幅広く建物の状態を知ることができるので、リフォームの計画を立てる際に、どこでどの程度の費用が必要になるのかの目安を立てることができます。
また、ホームインスペクションの中で先ほどご紹介した瑕疵保険の加入のための検査を同時に進める事もできます。
万が一に備えてこれらのサービスを活用することでより購入後のトラブルのリスクを抑えることが大切です。
さいごに
中古住宅の購入後にトラブルが起きないようにするにはどうすればいいのかのご紹介を、実際に起こりやすい例を挙げながらご紹介してきました。万が一トラブルが発生してしまうとその修繕や売り主とのやり取りで無駄な費用や労力を使ってしまうことになります。
やはり大切なのは「どうやったらトラブルが起きないようにできるか」という部分を考えて事前の準備をしておく事です。
とはいえ、購入しようとしている中古住宅の保存状態が一般的な基準と比べてどれくらいの状態なのか、修繕をした方がいい場所はどこなのか、など具体的な対策に関しては
「専門家ではないので詳しいことは分からない」と思っておられる方が多いと思います。
もし「戸建て住宅の購入に不安を感じているようなら、ぜひ一度ホームインスペクションを検討してみてはいかがでしょうか。
「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。