e-LOUPEの旬ネタコラム
- 中古戸建て
売主物件の購入はアリ?仲介業者なしでの売買のメリットと注意点
WRITER
岩井 数行
二級建築士 e-LOUPEインスペクター
こんにちは。e-LOUPEの岩井です。
今回は「売主物件」について解説していきます。
「物件をなるべく安く購入したい」という方が選択肢の1つとして考えるのが売主物件だと思います。
売主物件のメリットやリスクについて一緒に勉強していきましょう。
目次
そもそも売主物件とは?
売主物件はその家の持ち主が直接販売している物件を指します。(正確には買取再販のようなケースでも売主物件となりますが、今回は個人売買の物件であることを前提にお話をします)
仲介業者を通していないのが特徴で、反対に仲介業者が紹介をしている物件を「仲介物件」と呼ぶこともあります。
売主物件のメリット
仲介物件ではなく売主物件を購入するメリットとして以下のようなことが考えられます。
仲介手数料がかからない
仲介業者が紹介してくれた物件ではもし売買契約が成立した場合、仲介手数料が発生します。
仲介手数料の額は法律で上限が決められており、最大額は「物件価格の3%+6万円+消費税」とされています。
売主と直接取引をすれば仲介手数料がかかりませんのでメリットだと言えるでしょう。
やり取りのレスポンスが早くなる
もし売主と何かしらのやり取りをする必要があった場合、仲介物件ではやり取りは業者づてに行われることになります。
売主物件では売主との直接のやり取りを行う分、仲介業者に入ってもらうよりも早くレスポンスを得ることができると思われます。
売主との交渉を自分で行える
先ほどの項目に付随して、相手が仲介業者の時はうまく伝えられないような要望でも売主に直接話すことができます。
自分が言いたいことを直接自分で相手に伝えたい、という方にとっては仲介業者を通さずに交渉できるのもメリットだと思います。
売主物件のリスク
売主物件の購入には以下のようなことがリスクが考えられるため、注意が必要です。
物件や取引に関する情報の把握
売主が必ずしも良心的であるとは限りません。
不動産業者は売買のプロですので、地域の市場動向や物件の相場価格に関する豊富な知識を持っています。
しかし、専門的な知識が不足していた場合、市場価格を正確に把握することが難しく、適切な価格で売買が行われない可能性があります。
また、契約内容に不明瞭な項目があった場合もそれをしっかり自分で確かめる必要があるでしょう。
諸々の交渉
交渉を仲介業者を使わずに行うのはメリットであると同時にリスクでもあります。
仲介業者はプロの交渉者ですから、双方が納得のいく形で話を取りまとめるのも得意分野です。
個人との交渉では感情的な要素が入り込んでしまい、うまく交渉が進まない可能性も考えられます。
また、購入後に何かトラブルがあった際の対応なども自分で進める必要があるので、万が一の際は面倒ごとに発展しやすいというリスクも考えられます。
管理費や修繕積立金の滞納
もし売主が破産などの理由で管理費や修繕積立金を滞納していた場合、支払い義務は購入者が引き継ぐことになります。
滅多にないことだとは思いますが、念のため頭に入れておいた方がいいと思います。
物件の状態の把握
取引を考えている建物の契約内容が妥当であるかに加え、問題なく住めそうかどうか、どこかに不具合が隠れていないか、といったことも事前に知っておくべきでしょう。
宅建業法では、中古住宅の売買においては仲介業者には「建物状況調査」を実施する業者の斡旋について買主に確認を行うことが義務付けられています。
買主との直接の取引ではそういったサポートも得られないため、もし建物の状態を確認しておきたいとなった場合は自分でホームインスペクション業者を探して実施する必要があります。
また、その際に売主から難色を示される可能性があることや、そうなった場合の交渉も自分で行う必要があります。
まとめ
今回は売主物件について解説してきました。
売主との直接の交渉は仲介物件に比べて売買にかかる費用を安く抑えることができる可能性があります。
しかしプロのサポートが得られない分、やはり最低限の不動産、法律、建築に関する専門的な知識や費用の相場感は持っておく必要があり、ただ安くなるからという理由で自分で取引を進めるのは危なっかしさもあると思います。
後々後悔しないようにしっかりと検討した上での選択にしていきたいところですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
e-LOUPEトップページへ
e-LOUPEの診断内容
過去の診断事例集
e-LOUPEの診断料金
e-LOUPEお問い合わせフォームへ
「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。