e-LOUPEの旬ネタコラム
- 新築戸建て
新築なのに床鳴り?原因や対処法を解説
WRITER
鳥居 龍人
二級建築士 e-LOUPEインスペクター
こんにちは。e-LOUPEの鳥居です。
今回は「新築住宅の床鳴り」について解説します。
新築住宅なのに歩く度にギシギシ、キィキィと床鳴りする音が聞こえてくるとガックリしてしまうかもしれませんね。
原因や対処法を一通り挙げてみますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
フローリング自体の音鳴り
新築で床鳴りが発生している場合、1つ目の可能性としてフローリング自体の音鳴りが考えられます。
フローリングが音鳴りする原因は主に3つで、
- 床材の伸縮による材料同士の擦れ
- 床材留め付け用の釘の擦れ
- 施工時の接着材の固定不良
が挙げられます。
床材の伸縮による材料同士の擦れ
もし床鳴りの起こり方が季節によって異なるようであれば床材の伸縮が原因の可能性が高いです。
木材は湿気の影響を受けやすい部材です。
湿度が高いと木材は湿気を吸収して膨張し、反対に乾燥した環境では水分を失って収縮します。
室内の湿度は季節によって変動しますから、木材の伸縮と季節変動とは密接に関連しているのです。
木材が伸縮すると木材同士が擦れて微妙な動きが生じ、これがギシギシやキィキィといった音の原因になります。
木材を使う以上は仕方のない現象と言えるでしょう。
一応、床鳴り対策用の目地カッターが市販されていますので自分自身で調節することもできなくはありません。
しかし慣れない作業になると思いますし、特に床暖房を採用している住宅では温水パイプやパネルを傷つけてしまう可能性も考えられます。
なるべく触らないのがオススメです。
床材留め付け釘の擦れ
キュッキュッと擦れるような音がするときは、床材留め付け釘の擦れが原因かもしれません。
床材には下地への留め付けで釘が打ち込まれます。
しかし釘が真っすぐに打ち込まれていなかったり、打ち込む際に木材がわずかに動くことで、若干の歪みや釘穴のわずかな空間を生んでしまうことがあります。
これらが歩行時の圧力で微動してキュッキュッと擦れる音の原因となるのです。
注入材を用いれば消音できる場合もありますが、もしそれでも治らない時は部分的に床材を剥がす必要もでてくると思われます。
ただし修繕費は高額になりがちなので注意しましょう。
施工時の接着剤の固定不良
ペチャペチャとした音が鳴る場合、床材と下地材の間で接着材が乾いていないのかもしれません。
大体のケースでは接着剤がすぐに硬化して、音もいずれ気にならなくなるでしょう。
しかし中には職人さんが床用ではないボンドを使ったために乾きづらくなっていることや、床の下地に粘着質の液体をこぼしたままにされているといった、いわゆる施工不良の場合もあります。
原因は床を剥がしてみないとはっきりとわからないため、現実的には注入材などで一度様子をみるような対応だと思われます。
床材への熱のこもり
床暖房の使用時にラグやカーペットなどを敷いていると、熱が籠もって床材に悪影響を与えて床鳴りしてしまうケースもあるようです。
多くの床暖房が入った床は固定に接着材を多用しており、ちょっとした補修が行えません。
もし無理やり床を剥がす場合、温水パイプがボンドによって破損して費用が高額になるリスクを頭に入れておいた方がいいでしょう。
下地材の音鳴り
新築の床鳴りで2つ目の可能性として考えられるのは下地材です。
床を構成している部材には根太や土台、束などがあり、これらの部材が原因で床鳴りが生じることもあります。
具体的な例をみていきましょう。
土台等の留め付け釘の擦れ
床材の釘が擦れる現象と同様に、土台や根太でも釘が原因で音鳴りを引き起こすケースがあります。
修繕は難しく、釘部分が見えない場合や調整が難しい際には床を剥がす必要がある可能性もあり、その場合の費用は高額です。
束の緩み
束は床下で根太がたわまないように支える、床の突っ張り棒のような役割をしています。
素材は樹脂や金属などさまざまですが、いずれも高さの調節で固定部分が緩まないようにできる点は共通しています。
新築住宅で多く見かけるのが束の緩み止めの閉め忘れです。
最初から高さ調整がまったく行われていないものもありますが、それ以外にも人が床を歩いたり前面道路の車の振動などで段々と緩んでいく場合もあります。
根太などに生じたたわみが原因で床が鳴ってしまうという場合があります。
これに関しては新築時に床下をしっかりと確認すればある程度防げるかもしれませんね。
さいごに
床鳴りは新築住宅でも起こる可能性が十分にあることが伝わりましたでしょうか。
多くの床鳴りはちょっとしたメンテナンスで直りますが、場合によっては床を剥がす高額な施工となるケースもあります。
DIYで修繕すればある程度は安く仕上がることもありますが、配管を傷つけてしまわないように注意しましょう。
どうしても床鳴りが直らない時は、一度床下内の調査を行うといいかもしれませんね。
最後までお読みくださりありがとうございました。
e-LOUPEトップページへ
e-LOUPEの診断内容
過去の診断事例集
e-LOUPEの診断料金
e-LOUPEお問い合わせフォームへ
「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。