診断事例
空き家物件で感じた湿気と含水率の測定
空き家となっている建物のインスペクションでの事例をご紹介します。
人が住まなくなった家は傷むのが早いといいますが、今回の検査ではそれを直接体感させていただきました。
もともと売り主様は建物のメンテナンスを非常に意識されていらっしゃる方で、多少の劣化事象こそあったものの、構造の不具合や雨水に関わる問題などは見つからず、築年数に対して良好な状態でした。
しかし室内の湿気はかなりのもので、家具や建具の表面にうっすらとカビが発生していました。
売り主様は約半年前に引っ越され、それ以降状態の確認はほとんどできていなかったとのこと。人の出入りがなくなったことにより、建物の換気も不十分となり、水回りなどの湿気が籠もり、こういったカビが発生する原因となったのでしょう。
こういった表面のカビはクリーニングで取り除くことが可能ですが、床下の湿気は腐朽菌発生の原因となり、時にはお建物の強度に影響を与えてしまうケースも存在します。床下に進入した際、木材の含水率を測定しました。
今回の測定では24.6%で、腐朽菌の発生が懸念される25%を下回ってはいましたが、黒カビが発生している湿気状態であることをご報告させていただき、床下の湿気が室内に影響を与えている可能性と、室内の換気対策及び床下環境の改善についてもアドバイスをさせていただきました。(これらの数値はあくまでも目安で、必ずお建物に影響を及ぼしてしまうわけではありません)
近年は床下がコンクリートになっている建物もかなり増えましたが、たとえコンクリートであっても、土地の土質、お建物周辺の環境、床下の空気の流通状況などによっては木部腐朽のリスクが大きくなってしまっている可能性があります。
まずは建物の状態を検査するホームインスペクションのご検討をお勧め致します。
「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。