e-LOUPEの旬ネタコラム
- 新築戸建て
- 中古戸建て
- 自宅向け
家の木材が劣化してしまう原因は「快適な家」だから!?
近年の住宅は「住みごこち」をとても意識して作られるようになりました。
しかしその住みごこちこそが建物の寿命を縮める「木材劣化」の原因になるかも知れないことをご存知でしょうか。
今回は近年の住宅が、木材が劣化するリスクが増えている理由について一緒に考えていきましょう。
家の木材が劣化する2つの原因
最近の建物が昔よりも木材劣化のリスクが上がっている理由として
- 高気密化
- 軒の出の短さ
が挙げられます。これらはいずれも住宅の快適さを求めて取り入れられるようになった傾向です。ではなぜこれらが木材劣化の原因になるのか、それぞれ見ていきましょう。
高気密化
「実家の両親の家に行ったら家がとても寒くてびっくりした」
お客様と雑談をしているとこんな声を聞くことがあります。原因は「気密性・断熱性の低さ」にあります。
昔の家は総じて気密性が低く、冬になると隙間風が通り抜け、暖房を使っていても足元に寒さを感じやすい造りになっています(私の実家もそうでした)。
その点、最近の建物は気密性・断熱性がしっかりと意識されている事が多いです。
気密性・断熱性が高いと、外の寒さや暑さがシャットアウトし、室内の温度を一定に保つ事ができます。どの季節でも極端に寒くなったり暑くなったりすることがありませんから、1年を通して快適に過ごすことができるのです。
しかしその反面、家自体が腐朽という病気にかかる危険性が高くなってしまいました。「湿気」を建物の外に逃がしにくくなったからです。
気密性と断熱性をあげることを意識した結果、床下や壁内部の風通しが悪くなり、湿気がこもりやすくなりました。
民家から消えた“家の傘”
昔の家は、雨の日に壁にぴったり寄り添って歩くと体が濡れる事はほとんどありませんでした。その理由は、民家の屋根からは必ず「軒」が出ていて、外壁のすぐ脇に雨が降り注ぐことが無かったからです。
しかし、昨今の家は平均的に軒の出が短くなっていて、中にはまったく軒のない家もあります。
住宅が密集するようになり、広いスペースの確保ができなくなってしまったためです。
隣の家との距離が1メートルに満たないケースもざらにありますから、軒の長さを十分にとろうとすると家自体が狭くなってしまいます。
止むを得ない話かも知れませんが、家を維持していく上ではとても厄介な問題です。
私たちが傘をささずに歩くと濡れてしまうのと同じように、軒という傘をなくした家の外壁は雨が降るたびに雨水にさらされてしまいます。
新しい内は問題ありませんが、外壁は経年で必ず小さなヒビが入るようになります。その小さな隙間から少しずつ水分が壁材に染み込んでいくのです。
シロアリと同様に、腐朽も住宅にとっては身近かつ重大な問題です。木材が腐朽する仕組みや要因をきちんと知った上で、万全の対策をとっていただきたいと思います。
まとめ
今回は昨今の住宅が抱える「木材腐朽のリスク」という弱点についてご紹介してきました。
新しい家だからといって将来何かしらの不具合が起きる心配がないわけではありません。むしろ最近の家だからこそ、経年で劣化してきたときに起こりうるリスクは大きくなっているというパターンだってあります。
大切なのは定期的なメンテナンスです。
節目節目で床下、外壁、小屋裏などを点検し、建物に不具合が起きていないかを確かめるようにしましょう!
「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。