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- 新築戸建て
竣工検査とは?施主検査とは違う?検査の流れや持ち物、チェックリストを大公開!
WRITER
岩井 数行
二級建築士 e-LOUPEインスペクター
新築戸建てを購入する際に耳にする竣工検査や施主検査。「重要な検査なんだろうけど、具体的な内容はよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。
そこでこのコラムでは、これらの検査内容や事前準備、検査の流れについて詳しく解説します。
目次
竣工検査・施主検査とは?
竣工検査と施主検査は似たような意味合いで使われますが、2つの検査には少し異なる側面があります。ここではそれぞれの検査が何を意味するのか、詳しく解説します。
竣工検査とは
竣工検査とは、建物が完成した後に行われる検査です。工事が終了した段階で、建物の品質や安全性を確認する「最終確認」として行われます。通常、建物の引き渡し直前に施工業者や建設業者が主導して実施します。
検査の内容には、建物が設計図通りに完成しているかどうか、また施工に問題がないかを確認する作業が含まれます。特に、建物の構造や設備の不具合について確認する、非常に重要な工程です。
施主検査とは
施主検査は、施主(工事の発注者)が自ら行う検査です。注文住宅の場合は、買主が施主として検査を行いますが、建売住宅の場合は販売店が施主となるため、販売店の担当者が検査を実施するケースもあります。
検査では、買主や発注者が完成した建物を実際に確認し、自身が購入する住宅に不具合がないかどうかをチェックします。建売住宅においては、施主検査が「内覧会」として呼ばれることもあり、引き渡し前の最終確認として行われることが一般的です。
Point
竣工検査は「工事完了後の検査」であるのに対して、施主検査は「誰が検査を行うか」に重きを置いた検査です。場合によっては、施主が竣工時に検査を行うこともあるため、その場合は施主検査と竣工検査は同じ検査として実施されます。
これらの検査のタイミングや内容は業者によって異なる場合があります。
厳密な定義や区別がないため、検査の種類とタイミングについて事前に確認しておくことが重要です。
竣工検査の流れ
竣工検査の基本的な流れは以下の通りです。
- 日程調整
- 現地集合
- 検査
- 検査終了
それぞれのポイントについて詳しく見ていきます。
- 1.日程調整
- 竣工検査には、買主、施工担当者、販売担当者、時には仲介業者が立ち会うことがあります。日程は参加者間で調整し、一般的に引き渡しの約2週間前に設定されることが多いです。
施工会社の定休日や、担当者のスケジュールによって日程が限られることもあるため、希望の日程がある場合には早めに調整することをおすすめします。 - 2.集合
- 基本的には現地集合ですが、仲介業者が送迎を手配することもあります。自家用車で行く場合は、駐車スペースの事前確認をしておくと安心です。
- 3.検査
- 全員が揃ったら検査の始まりです。室内外を順に周りながら担当者から建物の状況説明を受けます。その際、各部屋の間取りや設備の使い方、敷地の境界についても説明があります。
合わせて傷や汚れのチェックも行い、発見された不具合は引渡し日までに修繕されるのが一般的です。 - 4.検査終了
- 検査終了後は、発見された不具合や修正が必要な点について話し合います。その際、修繕内容について確認することも重要になってきます。
最後の確認の場ですので、不明点や懸念事項があればこのタイミングでしっかりと伝えましょう。
検査後にオプション(カーテン、エアコン、防犯設備など)に関する説明や今後のスケジュールについて説明が行われることも多いです。
竣工検査の事前確認事項
以下の事項について事前に把握することで、当日の限られた時間を有効的に使いましょう。
- タイムスケジュール
- 施工状況
- 参加者
- 図面
それぞれの事項について詳しく解説します。
タイムスケジュールを確認する
検査当日の具体的なスケジュールについて担当者に確認しましょう。
特に以下の点は必ず明確にしておくことが重要です。
- 竣工検査のみで終わるのか
- その後にオプション打ち合わせがあるのか
- 終了時間が設定されているか
- 予定時刻が延びた場合に担当者が最後まで立ち会ってくれるのか
- 途中に休憩時間が設けられているか
また参加者の体力や集中力を考慮すると、休憩時間については把握しておいた方が安心できます。特にお子様を連れての検査や夏場の検査では、同じ空間に居続けることが難しい場合もあるため、必ず確認しておきましょう。
当日の施工進捗状況を確認する
次に、当日の建物の施工進捗状況について以下の点を確認しましょう。
- 建物がすべて完成しているのか
- 未完成部分があるのか
- 電気や水道の使用は可能か
検査では住み始めた時に困る部分がないか具体的にイメージしながら検査することが大切です。
検査当日は特に外構工事が施工途中であったり、ガスが使用できないこともよくあるため、その点も確認しておきましょう。
参加者を伝える
また、事前に検査の参加者について、以下の点に注意して整理しておくことも重要です。
- 売主側の参加者
- 誰が参加するのか
- 参加人数は何人になるのか
- 途中から参加する人はいるか
中でも「お子さんを連れていく」「親族も参加するかもしれない」という方は、事前に正確な参加人数を担当者に伝えておきましょう。
図面をチェックする
販売図面ではなく、竣工図面(最終的な図面)を用意してもらい、現地の状況と照らし合わせて見てみましょう。この時、販売図面から変更されている点がないかも確認することが大切です。
当日必要な持ち物
竣工検査当日には、しっかり準備しておくことが大切です。以下の持ち物は、スムーズに検査を進めるために役立ちます。それぞれの使い道を確認して、忘れずに持参しましょう。
- スマートフォン
-
竣工検査中に写真を撮影して記録する際や、ライト機能を使って暗い場所を確認するのに役立ちます。
- 付箋・マスキングテープ
-
気になった汚れや傷に目印を付けるために使用します。後で修繕依頼をする際に便利です。
- 充電用コンセント
-
コンセントが通電しているかどうかを確認するために使用します。手軽に通電しているかを確認できるのでおすすめです。
- スリッパ
-
検査時に使用するためのスリッパ。大抵の場合、使い捨てのものが用意されていますが、足が疲れやすいこともあります。普段から使ってるものがあれば持参することをおすすめします。
- 筆記用具・メモ・用紙図面
-
自分が検査した際の気になった点を記録するために使用します。図面を持参することで、現地との照合もスムーズに行えます。
- メジャー
-
室内の寸法を測るために使用します。家具の配置計画を立てる際に非常に役立ちます。
竣工検査当日にチェックすること
竣工検査当日は、新しい住まいが想定通りに完成しているかを確認する大切な日です。以下の項目をチェックしましょう。
- 建物外周り
-
- □ 隣地との敷地境界を確認
- □ 水道メーターの位置を確認
- □ ゴミ集積場の位置を確認
- □ フェンスに問題がないか
- □ 敷地と住宅の高低差に問題ないか
- □ 玄関までのアプローチに問題ないか
- □ 駐車スペースに車が問題なく駐車できるか
Point
外周りの確認では、敷地の特徴をしっかり把握することが大切です。特に敷地の境界は近隣トラブルの原因になりやすいので、十分に確認しておくことをおすすめします。
また実際に施工された際に図面よりフェンスが長くなり、駐車がしにくくなったという事例もありました。毎日使う場所なので、使い心地を具体的にイメージしながら確認してみてください。
- 建物本体
-
- □ 外壁・屋根・庇に汚れやキズがないか
- □ 窓や扉に不要な隙間がないか
- □ 建物設備が正常に取り付けられているか
Point
外周の確認と一緒に、建物の外側もチェックしましょう。特に多いのが窓周りのシーリングの隙間です。放っておくと、雨が染み込んでカビやシロアリの原因になることもあるので、しっかり確認しておくことが大切です。
- 室内
-
- □ 間取りや建具が図面通りか
- □ 窓の開閉に問題がないか
- □ 室内の傷や汚れ、クロスの隙間はないか
- □ 設備・建具の操作方法について確認する
- □ 分電盤・TV分配器の位置を確認
- □ 床下・小屋裏は問題ないか
Point
室内の検査では図面通りに施工されているか、設備や建具の動作に問題がないかを細かく確認することが重要なポイントになります。また、普段は見落としがちな分電盤や床下・小屋裏の状況も確認し、納得いくまで説明を受けておくと安心です。
竣工検査の注意点、よくある質問
竣工検査を初めて行う方にとっては、不安や疑問がつきものです。こちらでは検査に関するよくある質問にお答えしてます。検査当日に備えて、ぜひ一度ご確認ください。
Q.担当さんは説明してくれるの?
検査当日は担当者が案内しながら進めてくれるため、建物に関する説明を一通り受けることができます。壁や備え付け家具などの傷や汚れについてはこのタイミングでの指摘が修繕対象となることが多いのでしっかりと見て周りましょう。
Q.天候で気をつけることはあるの?
一般的には、エアコンが未設置のため室内の気温には注意が必要です。特に真夏や真冬には、暑さや寒さ対策を考えておくことが大切ですね。最近では、扇風機やストーブを用意してもらえることもあるので、担当者に相談してみるのも一つの手です。
また普通の雨であれば通常通り検査が行われますので、当日雨が降りそうな場合は雨具は用意しておきましょう。
Q.どんな服装が良い?
当日は室内外をたくさん歩くことを考慮して、動きやすい服装や靴を用意しておくことがおすすめです。
また外構が未完成の場合、敷地周辺の地面が土であることもありますので、雨の日など汚れが気になる時には、汚れても良い服装や靴で来ることが望ましいです。
Q.何人くらいで行ったほうがいい?
傷や汚れのチェックにはいろんな人の視点があった方が良いので、住まわれる方だけでなく、ご両親やご兄弟にも参加を検討してもらいましょう。ただし、当日はさまざまな業者が立ち会います。人数が多いと現場が混雑する可能性があるため、参加人数についてはあらかじめ担当者に何人まで可能か確認しておくと良いでしょう。
Q.当日トイレは使えるの?
電気や水道は基本的に使えることが多いですが、トイレの利用については断られることもあります。お子様を連れての検査の場合は、あらかじめトイレが使用できるか、確認しておくことが大切です。
自分だけでは不安なときはホームインスペクターの同行がおすすめ
竣工検査は、新築住宅の引き渡し前に行う重要な検査です。しかし、ほとんどの人にとっては初めての経験であり、すべてのチェックポイントを把握するのは難しいかもしれません。そんな時に役立つのが、ホームインスペクターの同行です。
ホームインスペクターとは、建物の状態を専門的に検査するプロフェッショナルです。屋根の状態確認や室内の傾斜測定、床下や小屋裏の検査など、専門的な知識や道具を必要とする調査を行ってくれます。自身だけでは不安な場合は、第三者機関として専門的な目でチェックしてくれるホームインスペクターに同行を依頼するのも一つの手です。
まとめ
竣工検査は引き渡し前に建物を確認できる最後の機会ですので、納得がいくまで細部を確認し、修正すべき点をしっかり伝えることが大切です。準備不足で臨むとただ説明を聞くだけで終わってしまい、重要な確認や不具合を見逃してしまう可能性もあります。
「正しく伝えられるか不安」「限られた時間でしっかり見きれるか心配」という方は、専門的な知識を持つホームインスペクターに同行を依頼してみるのもおすすめです。
ぜひこのコラムを参考に、万全の体制で検査に臨んでいただければ幸いです。
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