e-LOUPEの旬ネタコラム
- 中古戸建て
ホームインスペクション前に売主に絶対伝えてほしい「5つの情報」
WRITER
鳥居 龍人
二級建築士 e-LOUPEインスペクター
こんにちは。e-LOUPEの鳥居です。
売主の中にはホームインスペクションが何なのか、あまりよくわかっていない方が少なくありません。
「そんな話聞いていない!」とトラブルにならないために事前に伝えて欲しい
- 調査時間
- 調査範囲
- 撮影の実施
- 設備機器の使用
- 各種申請の予定
という5つの情報について詳しくご紹介していきます。
ホームインスペクションで事前に売主に伝えること
調査時間
「ではこれから調査に移っていきますが、調査時間は3時間ほどです」
「えっ、そんなにかかるんですか?」
調査を始める際に売主に伝えると時々ある「そんなにかかるの?」という反応。中には「10分くらいで終わるのかな?」という方もいました。
ホームインスペクションをしっかり行うとなると3時間はかかります。
「ちょっと確認するだけなんだから、ささっと終わらせてよ」「予定があるから1時間で終わらせて」となると十分な調査はできず、調査員も困ってしまいます。
買主からしても「何か隠そうとしているんじゃ」と不安に感じると思います。
トラブル防止のためにしっかりと調査時間を売主(もしくは仲介業者)に伝えておくことが大切です。
調査範囲
- 全部屋で調査を行うこと
- 床下・天井点検口がある場所に立ち入ること
の2点をしっかり伝えておくようにしましょう。
ホームインスペクションでは家の傾きや雨漏り跡が無いかなどを調べるため、建物内のすべての箇所を確認するのが理想です。
しかし調査範囲の共有ができていないと「そこは入らないで」と立ち入りを断られてしまう可能性があります。
特に買主が難色を示しやすい場所が
- 給排水周辺
- 小屋裏
- 小屋裏収納
- ロフト
- 床下
などです。
これらの調査はどうしても収納庫、押し入れ、クローゼットといった収納スペースにも目を通すことから、「そこも見るの?」となりがちです。
特にロフトや小屋裏収納は荷物が一杯置かれていて調査できないケースが非常に多いです。
もし図面上にロフトや小屋裏収納があれば「ちゃんと確認できますか?」と仲介業者に念のため聞いてみましょう。
また、床下や小屋裏といった専門家でなければ中々見れない場所は必ず調査できるようにしておきたいところですね。
撮影の実施
ホームインスペクションは報告書作成、記録を残すために写真撮影が必須です。
しかし「カメラを使うなんて聞いてない!」と撮影自体をさせてくれないケースも中にはありますので、念のためカメラの使用をあらかじめ伝えておくのが無難です。
また、たとえ撮影を断られてしまっても話し合いで納得してくれる場合があります。
たとえば撮影そのものが嫌なのではなく、「写真に荷物が映ってしまうのはちょっと・・・」と思っているだけだった、ということがあります。
「雨染みが無いという証拠の写真だけ残したい」「見えない範囲の状況は撮らせてほしい」など”理由”を説明することで妥協してくれたケースもありました。
一度折衷案を模索してみましょう。
ちなみにこれらのやり取りは直接売主とするのではなく、仲介業者を活用するとうまく伝達してくれます。
交渉は仲介のプロに任せるのが一番です。
設備機器の使用
ホームインスペクションでは設備機器の調査では水、電気、ガスを使いますが事前に伝えておかなければトラブルに繋がることもあります。
特にお風呂やトイレは、他人に入られることに抵抗を感じやすい場所です。
しかし「追い焚き機能が壊れている」「お湯が出ない蛇口がある」「換気扇が吸い込んでいない」などの細かい不具合が見つかる場所でもあるためできる限り調べておきたいところです。
やはり仲介業者に伝えてもらうようにして、見れるようにしてもらうのがいいと思います。
各種申請の予定
購入予定の住宅で「瑕疵保険」の利用を考えていた場合、確認出来ない範囲があると調査基準を満たすことが出来ない場合があります。
また、中古住宅のリフォームでは自治体や行政から補助金が出ることがありますが、その申請には事前にリフォーム計画や施工前の状況写真が必要な場合もあります。(そもそもリフォーム業者に見てもらわないとどのように計画していいかわからないと思います)
しかし売主がこういった事情を必ずしも汲み取ってくれるとは限りません。
買主としては補助金を適用できるかどうかを事前に確かめたいと思っていても売主としては「購入するか分からないのに撮影しないでほしい」と考えている場合もあります。
中には「まだ引き渡してもいないのに業者を呼んでリフォームする話をするんじゃない!」と激昂されて売ってもらえなくなってしまった、なんて話も聞いたこともあります。
なんにせよ「売らない」と言われるとそこで話が止まってしまうため、事前の共有を含めて慎重に行うのが無難だと思います。
仲介業者だけでなく、リフォーム業者に事情を相談してみるのもいいかもしれません。
まとめ
今回は、ホームインスペクション前に売り主に伝えておくべきことをご紹介しました。
どの項目も当日ホームインスペクターが伝える項目ではありますが、売主に事前に調査範囲を知ってもらうことで、より円滑に調査を実施することができます。
これらの内容はなるべく早めに仲介業者から売主に伝えてもらうことをおすすめします。
こちらのページを読んでいただくとよりホームインスペクションをイメージしやすくなると思うのでぜひ参考にしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。