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実は厄介な「外壁の雨漏り」原因や注意点を解説
WRITER
岩井 数行
二級建築士 e-LOUPEインスペクター
こんにちは。e-LOUPEの岩井です。
今回は外壁の雨漏りについてご紹介していきます。
雨漏りというと屋根で起きるものと思われがちですが、実は外壁も注意すべき重要ポイントです。
目次
外壁でも雨漏りが発生する?
外壁も屋根同様に雨風が当たる場所です。
風を伴わない少量の雨程度ですと雨水の浸入は考えにくいです。
しかし台風で激しい雨が降った時や強風で横殴りの雨になった時は外壁にも大量の雨水が当たります。
その時もし外壁にクラックやシーリングの割れなどがあれば雨水が建物内部に浸入してしまう恐れがあります。
小さなクラックの放置は禁物
もちろん外壁の内側には対策として通気層や防水層がありますし、そもそも上から下に流れる雨水が外壁から水平方向にある室内側に到達するのはそうある話ではありません。
しかし逆にいえば、お部屋の壁に雨染みができる頃には、すでに外壁内部の雨漏りが重症化している恐れがあります。
大切なのはやはり現状を正しく把握し、早めに適切な対処をすることです。
もし建物に次のような特徴が見られる場合、購入前であれば修繕を視野に入れるのがオススメですし、自宅であればメンテナンスの頃合いとなるでしょう。
外壁の雨漏り確認ポイント
外壁の雨漏りは外壁に何かしらの原因で隙間ができることにより発生します。
隙間ができやすい箇所の代表例をいくつかご紹介します。
①:シーリング部分
シーリング材が劣化すると割れやひび、剥がれによって隙間が生じます。
セメントが主原料の窯業系サイディングや、外壁タイルは外目地部分も注意が必要です。
②:窓サッシ周辺
窓周りは特に隙間が生まれやすい場所です。
外壁に埋め込まれている窓サッシの固定が悪いと浮いた箇所の隙間から雨水が浸入する恐れがあります。
③:取り合い部分
取り合いは各部材同士がぶつかる箇所で継ぎ目となるため、それだけ隙間もできやすい傾向にあります。
④:外壁のクラック
地震の揺れ・台風・建物のゆがみなどで外壁にひび割れができることがあり、クラックとも呼ばれます。
幅や深さが一定の基準を上回るクラックは建物の安全性に影響を及ぼす恐れがあります。
⑤:水切り金具の下
水切り金具は雨水を受けて排水する役割を果たす場所です。
不適切な取り付けや劣化によって変形したり、外れてしまうことで隙間が生じる場合があります。
水切り金具の劣化状況によっては板金交換やカバー工事が必要となる場合もあります。
⑥:幕板の周辺
幕板は建物の外壁と床の接合部分を覆い、外部からの雨水や風を遮る役割を果たします。
取り付けが不適切であったり、劣化や変形が生じている場合には隙間が発生する可能性があります。
⑦:換気扇・換気口フードの周り
外壁に取り付けられた換気扇や換気口のフードは防水のシーリングが経年によって劣化したり、固定部分に緩みが生じることがあります。
新築でも隙間は存在する
たとえ劣化のリスクが考えにくい新築でも油断は禁物です。
窓周りを設置する為に外壁を切り欠いて施工しますが、その部分の隙間のコーキング忘れやビスを打った跡など、よく見ると小さな隙間はたくさん存在します。むしろ何も問題がない方が少ないと言っていいでしょう。
直接雨漏りにつながる心配はほぼ無いものの、長く住むお家ですから最初ぐらいはしっかりと何も問題がない状態にするのがいいと思います。
また新築引き渡しの後はエアコンを設置するかと思われますが、施工店ではなくご自身で業者を探して設置する場合、万が一その業者が適当で知識のない職人だった場合には外壁に穴を開けた部分の補修を行わず配管貫通部から水が入り込むこともあります。
業者選びには細心の注意を払い、可能であれば家を施工した業者に責任を持って施工していただくと問題が生じた際も安心ですね。
さいごに
今回は外壁の雨漏りについてご紹介してきました。
外壁のメンテナンスは一般的に10年サイクルと言われていますが、塗料やシーリング、周辺環境によっても周期は変化します。
また中古住宅の場合は実際は30年以上何もせずに放置されているという場合も珍しくなく、修繕するにしても局所的か全体的かで費用や手間は大きく異なります。
購入の際は事前に劣化状況を慎重に確認するのがオススメです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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