e-LOUPEの旬ネタコラム
- 中古戸建て
ホームインスペクションの報告書には何が書かれている?
WRITER
岩井 数行
二級建築士 e-LOUPEインスペクター
こんにちは。e-LOUPEの岩井です。
「ホームインスペクションの報告書には何が書かれていますか?どんなことがわかるのか知りたいです」
このような方のために今回は私たちe-LOUPEが実際にお客様に提出しているホームインスペクションの報告書を例にご紹介していきます。(※一部抜粋修正)
目次
ホームインスペクション報告書の構成
ページ数は少ないほどいい!?
報告書はおおよそ35~45ページ、添付される写真は70~100枚程度が目安です。
実はいい家であればあるほど報告書の総量は少なくなる傾向にあります。
e-LOUPEの報告書では指摘箇所を見つけ次第、その1つ1つの状況を写真とともに添付します。そのため、指摘の箇所が多くなればなるほど、報告書はどんどん分厚くなっていくのです。
ページ数の少ない報告書は建物が健康的な証、と言ってもいいでしょう。
ちなみに報告書の構成要素としては
- 基本情報
- 調査結果
- 調査項目一覧
- 報告書について
- 調査道具
- 各階の図面
- 指摘箇所
- 各所の状況写真
などがあります。
直感で修繕の必要性を判断できる
「基本情報」には物件の概要、当日の状況、調査担当者などを記載し、報告すべき事項を
- 外周り
- 室内
- 床下
- 小屋裏・天井裏
- 設備
- その他
ごとに何か指摘事項は見受けられたか、交換やメンテナンスの目安はどれくらいかなどを記載します。
e-LOUPEの報告書ではそれぞれの状態について「修繕の必要性」という観点からA~Dの4段階で評価し、調査の概要をざっと把握できるようにしています。
建物全体の指摘箇所と状況が分かる
調査中に指摘事項が見受けられた箇所と具体的な内容について記載をします。
たとえば基礎にクラックが見受けられた場合には
- 建物のどこで見つかったクラックなのか
- クラックの大きさはどれくらいだったのか
などを記載します。
その後の「各所状況写真」では
- 全景
- 基礎
- 外壁
- 屋根軒裏
- バルコニー雨樋
- 室内壁
- 室内床
- 室内天井
- 階段
- 開口部
- 床下
- 小屋裏天井裏
- 設備
の状況を代表的な写真と一緒に記録します。
印刷物とPDFのちょっとした違い
報告書では
- 確認できた部位
- 対象となった項目
- 調査結果・指摘の有無
を表にてまとめています。
e-LOUPEでは報告書をPDFと印刷物でお渡ししますが、印刷物は「調査項目一覧」だけを別冊として製本しています。
そのため、調査結果や指摘箇所との見比べがしやすくなっていると思います。
ホームインスペクションの報告書で何が分かる?
安全性
購入前の建物には何かしらの不具合が生じているものです。これは新築でも同じです。指摘事項は中古に比べて少ないものの、修繕をするとしないとで劣化の速さが変わってくるようなものもあります。
ホームインスペクションを実施していただくことで「この家は本当に安心して住むことができるのか」という点を明確にすることができます。
修繕にかかる手間
報告書で建物全体の状態を把握すれば「修繕にどれくらいの費用が必要か」を大まかに判断することができるようになります。
特にひと目につきにくい床下や小屋裏での不具合は「予想外の出費」となってしまいがちです。
報告書の情報をもとに、そのようなリスクを回避することができます。
新築時の状態
ホームインスペクションの報告書を残すことには長期的な観点でも大きな意義があります。
たとえば新築時の報告書があれば、10年目の点検時に新築当初の状況と見比べる事ができます。
また、今後もし建物を手放すことになった際にも報告書が残っていれば、新しい買主に心理的な安心感を与えてあげる事ができるでしょう。
大切に保管しておきたいですね。
まとめ
今回はe-LOUPEで作成しているホームインスペクションの報告書を参考に、記載されている具体的な内容の解説やそこから読み取れる情報、将来に向けての記録としての位置づけをご紹介してきました。
しっかりとした調査を実施しても、それがしっかりと伝わらずに記録に残らなければ意味がありません。
報告書は別途費用がかかるというケースもありますが、e-LOUPEの報告書は調査費用に組み込まれておりますのでご安心ください。
ホームインスペクション全体についてはこちらのページでも詳しくご紹介していますのでぜひご覧ください。
最後までお読みくださりありがとうございました!
「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。