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天井の染みの正体は?ホームインスペクションでわかった意外な事実
今回はホームインスペクションの調査に伺ったときに見られた天井の染みの原因についてみていきましょう。インスペクションというと活用される場面が多いのが中古住宅の売買時です。このインスペクションは”建物状況調査”とも呼ばれますが、これの調査範囲の対象部位に「天井」があり、確認項目に「雨漏れ」があります。
調査を行う「既存住宅状況調査員」が雨漏れと思われるシミを見つけたら報告書に”劣化事象「有り」”としてチェックを入れるのですが、ぱっと見た感じでは雨染みのようでも実は別の事象だったということがあります。
では、このシミは一体何なのか?
ハクビシン
実はこれ、「ハクビシンの尿」だったのです。ハクビシンというと自然溢れるところに生息しているイメージですよね。ですが都心でも多くの目撃情報があります。さらには住宅(小屋裏)に入ってしまうという相談も頻発しています。小屋裏に侵入することで騒音や糞尿などにより不衛生になることはもちろんですが、天井材を傷めますし糞の重みで天井が抜けてしまったという事案もあります。
建物状況調査(インスペクション)で一つ懸念されるのが、天井を見ただけでは判断が難しいということです。ハクビシンが侵入していればその足音などで「何か動物が入っている」と売主は気づいているかもしれません。売主様に聞く機会があればまだ良いですが、すでに空き家になっていればその状況で判断せざるを得ません。
建物状況調査では原因の特定までは求められておらず、今起きている事象を報告すればよしとされています。また、小屋裏に関しては天井点検口や天袋からの目視調査となっているため、そこから見られる範囲は限られます。実際にシミの裏側がどうなっているのかまで直接確認出来ない(確認しない)可能性もあるのです。
安易に雨染みとして判断し塗装や屋根の修繕をしたり、屋根側にシミが無いからと放置しても、「ハクビシンが入っている」または「今後も入るかもしれないという」問題の解決にはなりません。
小屋裏(屋根裏)に入らないとハクビシンの侵入と分からない
建物状況調査(インスペクション)は、構造と雨水に関連することが調査の項目になっています。ハクビシンなどの害獣に関する項目は調査内容にありませんが、ハクビシンやネズミ、コウモリなど戸建の侵入相談が後を絶たないのも事実です。
住み始めてから天井から毎夜音がする・・など、決して気持ちのいいものではありませんよね。害獣の侵入で困らないよう、建物状況調査(インスペクション)を依頼するときは”簡単な目視”ではなく、床下や小屋裏に入って調査ができる業者に依頼して見えない場所もしっかり確認してもらいましょう。
「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。