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ホームインスペクションで分かる、将来のリフォームに役立つ情報
WRITER
岩井 数行
二級建築士 e-LOUPEインスペクター
こんにちは。e-LOUPEの岩井です。
ホームインスペクションは多くの方が物件購入時など住み始める前の状態チェックとして活用されます。
しかし実は、ホームインスペクションは住み始めて年月が経過した際に考えるであろうリフォームのヒントとしても活かせることをご存じでしょうか。
今回はホームインスペクションで分かる、将来のリフォームに役立つ情報をご紹介していきます。
①建物の構造に関する情報
ホームインスペクションでは建物の基礎、壁、屋根といった構造部分を調査します。
購入時の劣化状況により将来どこの劣化が進んでどこを修繕すべきかが大きく変わってきます。
ホームインスペクションは建物のメンテナンスを行う際に、将来的なリフォームの必要性や改善すべき箇所を特定することができます。
特に外壁や屋根などは訪問販売等で声をかけられやすく、「壊れているからなおしたほうがいいですよ」と言われた際に、安易にその場で頷かず、第三者の意見も取り入れることで「本当にすぐに直す必要があるのかな?」と判断の目安になります。
ちなみに、リフォーム業者が行うホームインスペクションはそのまま営業につながるケースがとても多いです。
リフォームと関わりの無い調査会社に依頼するとより第三者性が保たれるでしょう。
②水回り設備の状況
ホームインスペクションでは、水回りの設備をチェックし、将来的な修理や交換が必要かどうか確認します。
在来浴室(部材の上に浴槽を設置してタイルなどで床や壁を仕上げた浴室)の場合、タイルの劣化度合いによって隙間からの水漏れや浴室下部材の腐朽リスクが大きくなります。
ユニットバスの場合でも、経年で継ぎ目が劣化したり壁面が破損しやすくなりますので、そうなると水漏れで床下環境を著しく悪化させる可能性が考えられます。
特に床下の水漏れは個人では判断がつきづらいこともあり、ホームインスペクション結果は貴重なデータとなるでしょう。
③断熱・気密性能
ホームインスペクションでは断熱材や窓、ドアなどを調査します。
集合住宅から一軒家に引っ越された多くの方が、寒さや暑さを感じているようです。
その原因は建物の断熱・気密性能にあります。
断熱や気密性の低い箇所は快適性の向上のために将来的にリフォームが必要になる可能性が考えられますので、現状を正しく認識するためにもホームインスペクションは役立つでしょう。
④建物外部の状態
ホームインスペクションでは、建物の外周や外構といった外部の状態も観察します。
それにより排水や雨水の流れなど、将来的に修復やメンテナンスが必要な領域を特定することができます。
また、新築の時点で既に雨樋に植物の弁や枯葉が詰まっていたり、元々の排水設備が不十分で災害時のリスクが考えられるケースもあり、そういった箇所への指摘は将来のリフォームのヒントにもなり得ると思います。
⑤安全性の確認
ホームインスペクションでは、火災警報器、煙感知器、非常口などの安全設備を点検しますので、将来的な安全上のリスクや必要な修理、改善のポイントを特定することができます。
火災報知器は市区町村によって取り決めの基準が異なりますし、年数によっては現行の基準が満たされていない場合も考えられます。
また、1981年以前に建てられた住宅は「旧耐震基準」となり耐震性能が低い可能性が強いですし、それ以降であっても2000年までの住宅だと現行の基準に達していない可能性があります。
ホームインスペクションは安全性の問題をリフォームで解決するための第一歩となってくれるでしょう。
さいごに
今回はホームインスペクションで分かるリフォームのヒントについてご紹介してきました。(ホームインスペクションについてのより詳しい解説はこちらのコラムでも行っています!)
どんなに新しい建物でもやがて劣化しますし、時間の経過とともに住まいに対するニーズも変化していきます。
ホームインスペクションで得た情報を、今だけではなく将来にわたる安心のためにも活用してみてはいかがでしょうか。
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