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長持ちする家の条件とは?構造やメンテナンス方法について解説!

2022.09.26

家を買うのであれば「長持ちさせたい」と思うのは当然だと思います。

しかし実際問題どのようなことをすればいいのか、意外と知られていないのも事実です。

そこで今回は

・長持ちする家の条件
・長持ちする家の具体的な特徴

についてご紹介していきます。

この記事を通し「長持ちする家」作りのお力となれれば幸いです。

長持ちする家の条件

長持ちする家には次のような条件が必要です。

・地震や水害などの「災害」に強い
・定期的なメンテナンスがしやすい

地震や水害などの「災害」に強い

地震や水害などの自然災害は建物の寿命を縮める大きな原因となります。

例えば、元々地盤が弱い場所に家を建てると地震が起きたとき地盤が沈下して建物が傾いてしまうリスクが大きくなります。

建物が傾いてしまえば基礎のヒビ割れなどから家自体の強度が低下することになるので
長持ちしにくくなります。

どれだけ高気密高断熱の省エネな住宅でも、ひとたび河川が氾濫して床下・床上の浸水が起きてしまっては断熱材がほぼ無意味なものになるだけでなく、逆に水はけの悪さからカビや腐朽のリスクを抱え続けることになります。

家の性能の高さは確かに大切ですが、長持ちする家にするためには「そもそもその家はずっと無事に建っていられるのか」についても考える必要があります。

メンテナンスのしやすさ

長持ちする家かどうかを判断する重要なポイントなのですが、購入時にあまり意識されることがないのが「メンテナンスのしやすさ」です。

実はメンテナンスがしやすいかどうかは長持ちする家を作る上でとても大切です。

気候や環境によって多少前後しますが、屋根や外壁は10年~12年経つと塗装が剥がれやすくなりますし、床下のシロアリを予防する薬剤は5年程で効果がなくなります。

どれだけ最先端の優良な建材を使って建てたとしても同じです。

5年10年と年月が経過するあいだ、建物は常に風雨や光にさらされ、徐々に劣化していくのでそれを放置すると不具合が起きやすくなり建物の寿命は縮まります。

どれだけいい家でも、定期的な検査とメンテナンスなくして長持ちする家にはなりません。

だからこそ「そもそもメンテナンスできる家なのか?」がとても大切なのです。

何かトラブルがあったときに補修や部品の交換が簡単にできる仕組み、定期的に異常がないかをチェックできる構造かどうかは確認しておくべきでしょう。

こんな物件だと長持ちする家になりにくい

「災害に強くてメンテナンスがしやすい家に住めばいいことは分かったけど、具体的にどうやって見分ければいいですか?」

という疑問を持つのではないかと思います。

反対に「災害に弱そうな家、メンテナンスがしにくい家はどんな家なのか」を考えてみましょう。

立地条件が悪い

災害に対する強さは、家が免震構造になっているか、耐震等級が高いか、基礎高は十分か、などの建物の性能はもちろん大切ですが、「そもそも安全な場所に建っているか」を調べることが大切です。

例えば、熊本地震の時は、耐震等級が高くても地盤の弱い地域では半倒壊した建物があったということが研究で分かりました。

自然災害に遭いにくい場所かどうかを事前に確かめておくことが建物を長持ちさせる第一歩であるといっていいでしょう。

現在は水害や土砂災害に遭いやすいかどうかを示したハザードマップや地盤の強さを示した地質調査などの情報が公開されていますので、自然災害のリスクがない場所かどうか、確認するようにしましょう。

隣家との間隔が狭い

隣家との間隔があまりにも狭いと建物のメンテナンスが難しくなります。

例えば「外壁や屋根の塗装が剥がれてくる頃なので手入れをしたい」と思った時に、間隔がせまいと足場を組めなくなるので高所の修繕が行いにくくなります。それ以外にも、給湯器などの設備に不具合があった時の対応も難しくなります。

そうすると、メンテナンスがそもそも不可能だったり、必要な経費がとても高くなってしまうことからメンテナンスをあきらめたり、計画を延ばし延ばしにしてしまいがちです。

しかしそれは外壁や屋根からの雨漏りが起きるリスクが上がることにつながります。

物件を見学するときは、隣の家と密接しすぎていないか、足場を組むことができそうか確認するようにしましょう。

点検口がない(床下に入れない)

床下で起きる配管の水漏れの修理やシロアリ薬剤の定期的な散布は基本的には人が床下に進入しておこないます。

床高が低い場合や全くない場合は人がもぐれないため、床下で起きた配管の水漏れやシロアリの被害に対応しにくくなります。

同様に小屋裏の点検口がないと、雨漏りなどの異常が起きていないかどうか、気づくのが遅くなってしまいがちです。

点検口程度なら何かあった時に新しく作ることもできますが、いざ中をのぞいてみると

「床高が全体的にとても低く入れない事が分かった」
「基礎で覆われているので全てを見るには1つの点検口だけでは足りない」

となることも考えられます。
そうなれば結局余計な経費がかかることになります。

物件を見る段階で点検口の有無を確認し、中の様子を見ておけばこれらのリスクを把握することができます。

「デザイン性」ばかりを意識した建物には注意

実際に私がお伺いした物件での事例もご紹介します。

そのお宅の玄関スペースは3階までの吹き抜けになっていて、天井に窓がついていました。一見とてもおしゃれでいい雰囲気なのですが、あるとき玄関の天井から雨漏りが起きてしまいました。

被害そのものは軽微だったので普通の天井なら簡単に補修することができたのですが、なにしろ3階までの吹き抜けですから作業員が天井までたどり着くことができません。

結局大掛かりな足場を組んでの補修となり、雨漏り一つ直すのに膨大な手間と費用がかかってしまったのです。

「デザイナーズ住宅」が流行する今、このようなケースは珍しくありません。見た目のかっこよさを重視するのも良いのですが、雨漏りなどのトラブルが起きることも視野に入れて、点検・補修のしやすい設計にすることも大切です。

ホームインスペクションは長持ちする家作りの第一歩!

長持ちする家を作る最初の一歩となるのが「ホームインスペクション」です。

ホームインスペクションでは建物について「雨水が入ってくる心配はないか」「構造上の問題はないか」などを細かくチェックします。

現在の建物の状態を正確に把握できるのでメンテナンスや修繕の計画を立てやすくなります。

住宅を購入する際はぜひ活用してみましょう。

さいごに

今回は長持ちする家を作るためのコツをお話ししてきました。

住宅の良さは見た目だけでは決まりません。見えない部分にこそ、長く安心して暮らせる家かどうかを見極めるポイントが隠されているのです。

また、長持ちする家かどうかは家そのもののクオリティでは決まりません。「建てたあと何もしないで何十年も不具合が出ない家」は存在しないからです。

家は一生に一度とも言われる大きな買い物です。

ぜひ後悔の残らない家づくりにしてみてください。

 

「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。