e-LOUPEの旬ネタコラム
- 新築戸建て
モデルハウスが安い理由とは?注意すべきポイントも解説
WRITER
岩井 数行
二級建築士 e-LOUPEインスペクター
今回は「モデルハウスが安い理由」についてお話ししていきます。
モデルハウスを購入する魅力の1つはその安さにありますが、その仕組みを一緒に勉強していきましょう。
目次
モデルハウスが安い理由
完全な新築住宅ではない
モデルハウスが通常の新築住宅に比べ安いことが多い理由は、完全に新しい建物とは言えないことにあります。
そもそもモデルハウスは不特定多数の人に見てもらうためのものですので、住み始めの時点で自分が知らない人たちが何回もその家を出入りしています。
また、完成後すぐに引き渡しとなる一般的な住宅に比べても建てられてからの期間はどうしても経過していますので、そういったことを加味して通常の価格よりも安い相場で売られていることが多いです。
いわば電化製品における「見本品」のようなイメージですね。
設備充実でお得な場合も
モデルハウスは見学者にいいイメージをもってもらうことが目的であることから、オプション施工で取り付けられている設備、内装、外装が最初から備わっている場合もあります。
それらを標準の費用で手に入れられるのであれば相対的にお得であると言えるでしょう。
安さの代わりに注意すべきもの
衛生上の問題
モデルハウスは不特定多数の人間が訪れる場です。
設備にも多くの人が触れることになりますし、たとえばトイレなども営業担当や職人が使用していることも考えられます。
一応引き渡し前に室内全体のクリーニングが行われるとは思いますが、どうしても衛生面で気になる人は覚えておいた方がいいでしょう。
また、場合によっては交換も可能だと思いますので相談してみるのもいいと思います。
傷や汚れ・設備の不具合
本来、新築住宅であれば内覧会の際に発見した傷や汚れは、売主に申告することで引き渡し前に修繕してもらえることが一般的です。
しかしモデルハウスは元々が多くの見学者が出入りすることを目的に作られたものであることから補修対応をしていない場合があります。
傷や汚れはどうしても目立つ傾向にありますので、もし気になる方はどのような条件になっているのか、契約前に売主にきちんと確認するようにしましょう。
また、事前に気をつけておいた方がいいこととして設備の不具合も考えられます。
設備には不特定多数の人間が触れるため、どうしても知らず知らずの間に壊れてしまっている部分があることも考えられますし、それを売主自身も気づいていない・・・というケースも考えられます。
こういった問題はモデルハウスに限らず一般的な新築住宅でもごく普通に起こり得ることですし、気持ちよく住み始めるためには事前に確かめておくことをおすすめします。
新築時の保証
本来、新築住宅は引き渡しから10年間、万が一の不具合が発見された場合はその責任を追う必要があります(瑕疵担保責任)。
法律的には新築住宅であるかどうかは「1年以上が経過しているかどうか」「一度も人が住んだことのないかどうか」で判断されます。
もしそのモデルハウスが新築から日数が経過しているため、中古住宅として扱われることがあります。
そのため、本来新築住宅で得られたはずの10年保証の対象外ということになってしまいますので注意が必要です。
もし保証が得られなかったら・・・
もし10年保証が得られなかった場合、代替案として考えられるのは既存住宅かし保険(宅建業者販売タイプ)です。
期間は短くなってしまうものの、一定期間の保証が得られるので不安な人は検討の価値があります。
ただし加入できるのは売主ですので、加入の有無を購入する前に確認してみるといいでしょう。
ちなみに瑕疵保険の加入検査をする場合、費用がほとんど変わらないことから「ホームインスペクション」を同時に実施される方も多いようです。
まとめ
今回はモデルハウスが安い理由について解説してきました。
値段的に安かったり設備が充実している反面、人が出入りしていることによる傷・汚れや保証が得られないリスクがあることがわかっていただけたのではないかと思います。
非常に高価な買い物となることに変わりはないので慎重に決めたいところですね。
もし10年保証が得られないようでしたら瑕疵保険への加入を売主と相談してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。