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内覧会の”準備”術!失敗しないコツをプロが解説

2022.11.21
鳥居

WRITER

鳥居 龍人

二級建築士 e-LOUPEインスペクター

建築事務所を経て株式会社テオリアハウスクリニックに入社。前職での現場監督経験から、施工から設計まで幅広い知識と経験を持つ。現在はその経験をもとに戸建て住宅のインスペクション業務に携わる。JSHI公認ホームインスペクター。既存住宅状況調査技術者。

「内覧会で準備をしておくことはありますか?具体的な項目について知りたいです。」

今回はこのような方のために内覧会の準備について、ホームインスペクターの視点で解説をさせていただきます。

そもそも内覧会って何をするの?


建物のお引渡し前に買主が建物の検査を行い、図面通りに作られているか、傷や汚れ不具合が生じていないかの確認を行うことが内覧会です。

建物の設備関係の説明や建物の位置や境界(自分の土地がどこまでなのか)の確認も同時に行うことが多くあります。

この内覧会でチェックした箇所の修繕をすればお客様に建物が引き渡されるため、言わば建物を細かくチェックできる最終確認だと思っていただけるとわかりやすいかもしれません。

もし内覧会の時点で気付けなかった施工不良などがあったとしても、気づかずに引き渡しを受けてしまうとあとから気づいても対応してもらえない可能性もあります。

そんな重要な内覧会の準備すべき「もの」と「こと」をお伝えしていこうと思います。

内覧会で準備するべき「もの」


まず内覧会のために準備をしておくべきものとして

  • 服装
  • 道具
  • チェックリスト

の3つが挙げられます。

服装

内覧会では室内だけではなく、外周りの確認や様々な場所を確認して回る事が想定されます。

かがんだり、覗き込む際は膝が汚れることもありますので事前に動きやすく汚れても良い服装を準備しておきましょう。

また、前日に雨が降っていると外構周りの泥を足で引っ張ってきてしまう可能性があるため、長靴など予備の靴もあると玄関を汚さずに保てます。

内覧会の時点では室内のクリーニングが済んでいない場合もあるため、手袋を用意しておくこともおすすめです。

また新築の状態ではエアコン等は備え付けられていないことが多いため、寒暖の対策もしておいた方がいいでしょう。

道具

実際に各所を確認をして回る作業では、

  • 台所下の配管
  • 点検口からの床下
  • クローゼットの内側

などの暗い場所を見て回ることが想定されます。ライトがあるといいです。

スマートフォンの充電器があれば、各所のコンセントが正常に作動するか確認することが出来るので持参するのがおすすめです。

また、戸棚などの高い位置を確認するには脚立や踏み台などがあると便利です。

そして各所の確認を行った際には気になる箇所が出てくると思われます。

指摘箇所があった際にはカメラで撮影し記録に残しておきましょう。

内覧会の持ち物については、こちらのページでも詳しく解説をしていますので参考にしてみてください。

チェックリスト


戸建住宅の確認する箇所は非常に項目が多く、

  • 設備に関する説明
  • 近隣状況の話
  • 施主検査として傷汚れのチェック

など、どうしても動きが慌しくなってしまう事が想定されます。

事前にしっかりと計画を立てておかないと、後になって「そう言えば確認できていなかったなぁ・・・」となってしまいがちです。

そこでおすすめなのがチェックリストの作成です。

当日までに、どこを確認するべきかの一覧を用意しておけば、当日はそのリストに従って動くだけでいいので作業がスムーズになります。

もし傷汚れがあった場合、図面にもその箇所にチェックを入れてリストとして管理しておけば、手直し後に指摘した箇所がちゃんと修繕されたかどうかスムーズに確認できます。

こういった作業は内覧時に仲介や施工店が図面等に指摘箇所の記載等をしてくれることもありますが、人任せにせず自分で記録つけることで後々、「言った」「言わない」のトラブルをなくすことにも繋がるためとても大切です。

内覧会で準備するべき「こと」


内覧会のために準備をしておくべきこととして

  • 当日の計画
  • 前後の日程の調整
  • 家族とのすり合わせ
  • 小さいお子様がいる場合の準備

が挙げられます。

当日の計画

先ほどもご紹介した通り、当日は作成したチェックリストをもとに建物を見て回りましょう。ただし、チェックリストとして箇条書きにしただけではあちこちを行ったり来たりしてしまう可能性があります。

建物の平面図と照らし合わせてどの順番でどこを見て回るか、当日の計画も立てておくようにするとより抜けをなくす事ができます。

とは言え、実際はイメージすることは難しく予定も立てにくいと思います。

事前に業者の方とどれくらいの時間を要するかなど、確認を取っておいた方がいいでしょう。

おおよそ1~2時間ほどはお時間がかかるものだと思ってください。

また、建物の引き渡し前であれば鍵の開け締めを行わなければならないことから、施工店によっては長居が難しいケースもあります。

もし内覧後にカーテンや家具業者を呼んだり、部屋の寸法確認や家具の配置などを考えるのであれば、その時間が取れるかどうかも合わせて仲介業者や施工店に相談してみましょう。

こういった事前計画が非常に重要だと言えます。

前後の日程の調整

内覧会の前後に予定を入れていると、万が一予定が押してしまった際にどこかでそのしわ寄せが起きてしまうことになります。

内覧会の日は、その前後の予定については、なるべく厳密なスケジュール管理を行う必要がない予定のみを組むようにしましょう。

家族とのすり合わせ

建物を一人で見て回るのはとても大変です。なるべく他の家族やメンバーと分担をして確認を行うようにしましょう。

見る人が多ければそれだけ傷や不具合の見落としが無くなるのでおすすめです。ただし、もし万が一欠席者が出てしまうと、その代わりを誰かが行うことになります。

事前にしっかりと日程を押さえ、お互いに急用が入りにくい日を選ぶようにしましょう。

小さい子供の対策

内覧会は非常に長い時間がかかることから、もしお子様も連れていく場合はその対策を考えておいた方がいいでしょう。

新しい家で楽しくなったお子様が走り回った結果ころんで怪我をする可能性もあれば、疲れ切って寝てしまう可能性もあります。

前述でも書いた通り、内覧会の時点では建物のクリーニングが済んでおらず、そのまま寝かせると汚れてしまったり怪我をしてしまうかも知れません。

マットや子供用のおもちゃなどを用意しておいたり、集中して住宅の確認を行うのであればお子さんの面倒を見てくれる方と一緒に内覧会を行うこともおすすめです。

内覧会に建築士が同行!ホームインスペクションの検討


「自分たちで全てを見て回るのは難しそうだから、専門家にお願いしてしっかりと見てもらおう」という場合は「ホームインスペクション」を検討してみるといいでしょう。

ホームインスペクションは「建物状況調査」とも呼ばれ、住宅専門の知識を持った人間が建物に不具合がないかを調査するサービスです。

床下や小屋裏などの進入調査や住宅の傾き、設備機器の不具合など通常分かりづらい箇所もプロが徹底的に調べます。

またホームインスペクションに限った話ではありませんが、希望日が直近であればあるほど日程の調整は難しくなります。

日にちに余裕を持って依頼されることをおすすめします。

さいごに

今回は内覧会に向けてすべき準備についてご紹介してきました。

家は人生の中でも非常に高価な買い物となりますので、準備を入念に行い、「もっと色々事前にしっかり準備をしておけばよかった・・・」とならないようにしましょう。

e-LOUPEでは内覧会に同行して建物に不具合がないかを確認する「ホームインスペクション」を実施しています。

こちらのページで詳しく解説していますので、もし興味を持っていただけたようでしたらぜひご覧いただけると嬉しいです。

最後までお読みくださりありがとうございました!

 

「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。