e-LOUPEの旬ネタコラム
- 新築戸建て
内覧会の持ち物は何が必要?10個のアイテムを厳選!
WRITER
鳥居 龍人
二級建築士 e-LOUPEインスペクター
「内覧会を実施するにあたって何を持っていけばいいのか分からない・・・。」
今回はそんな方のために「簡易的な確認だけできればいい」という人から、「詳しくチェックをしておきたい!」という人まで、それぞれにおすすめな内覧会の持ち物をご紹介していきます。
一生に一度の大きな買い物となる住宅の購入、後悔を残さないためにもしっかりと確認していきましょう!
目次
内覧会の持ち物はこれを用意すべし
内覧会では以下の持ち物を持ってくると良いでしょう。
- なるべく持っていこう!
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- 1.スマートフォン
- 2.付箋(マスキングテープ)
- 3.メジャー
- 4.スリッパ、手袋
- 5.寒暖対策グッズ
- より詳しく詳細に確認するためのアイテム
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- 6.ティッシュペーパー
- 7.水
- 8.水平器
- 9.携帯電話の充電器
- 絶対に忘れず持っていこう
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- 10.図面(平面図)
これらの持ち物の使用箇所について、詳しく解説していきます。
なるべく持っていこう!
①スマートフォン
今の時代、スマートフォンは多くの方が肌身から離すことがないであろう持ち物だと思いますが、内覧会にも忘れずに持っていきましょう。
利用する機能は2つ、「ライト」と「カメラ」です。
内覧会の時点では照明が設置されていることが少なく、日当たりによっては真っ暗な部屋もあります。また、室内だけでなくクローゼット内の傷を確認したり、フローリングに光を当てて凹みを見つけられたりもします。
ちなみに光を当てる際は真上からではなく少し斜めから照らしてみましょう。汚れや傷などが発見しやすくなるのでオススメです。
カメラは内覧会の時点での建物の状況を記録するのに使用します。
傷汚れの写真が手元に残っていれば万が一「内覧会で直してくれると言っていたのに直っていない!」となった場合の証拠となります。
また、各部屋の全体を撮影しておけば家具の配置を確認したり、床や壁の色に合わせて家具を購入したりと引っ越し前の準備にも役立ちます。
指摘箇所を撮影する際は大まかな位置がわかるようにし、自分自身がどこを指摘したのか忘れないようにしましょう。
②付箋(マスキングテープ)
見つけた傷やへこみを撮影するときは、付箋やマスキングテープを貼った上で撮っておくと具体的な位置が思い出しやすくなります。
施工店へ手直しをしてもらう際に指摘箇所がわかりやすく、修繕後の比較がしやすくなるため非常におすすめです。
内覧会時に仲介業者や施工店が付箋等を用意してくれる場合もありますが、自分自身でも持参しておきましょう。
ポイントとして、貼り付ける際には必ず番号を書き込んでおきましょう。
めったにないことだとは思いますが、内覧会後に「この程度なら修繕しなくてもいいだろう」と貼られた付箋を剥がしてしまう業者もいるようです。番号を振っておけば全ての指摘箇所を漏れなく管理できるのでその対策となります。
気持ちよく引き渡しを受けるため、念のためにも嫌な可能性を潰しておくのが大切です。
ちなみにマスキングテープは傷やへこみの目印だけでなく、フローリングに直接貼り付けて家具を置いた時のイメージをしやすくするという使い方もできます。
すべての部屋に貼り付けると意外とかなりの長さになるため、持っていくテープの量も余裕をもっておくといいでしょう。
③メジャー
メジャーは「スケール」や「コンベックス」とも呼ばれている長さを測る道具です。伸縮する定規だと思うとわかりやすいですね。
メジャーがあれば新しい家具を買う際や今現在使っている家具を持ってくる際に、サイズが新しい部屋にあっているのかを確認できます。
モデルハウスでもない限り、内覧会ではほぼ全ての部屋が家具の一切ないがらんどうな状態であることでしょう。
しかし想像だけで家具の配置を考えるのは非常に困難です。
前述した各部屋の写真と併せてメジャーで各部屋の寸法を記録しておけば、家具選びや配置において非常に参考になるでしょう。
写真を撮る際はメジャーも入れて撮影するようにしましょう。後からでも距離感などがよりわかりやすくなるのでオススメです。
注意点として、家具を設置する「場所」だけでなく家具を「搬入」する際のことも忘れないようにしましょう。
「玄関ドアの幅」や「廊下の幅」、特に2階にキッチンや洗面脱衣室がある場合、冷蔵庫や洗濯機が「階段を通して運ぶことができるのか」も確認することをおすすめします。
冷蔵庫本体の幅はもちろんですが、高さも大きいため、「階段の段から天井までの高さ」も合わせて確認しておくと、「万が一買ったけど搬入出来ない!」なんてことを防ぐことが出来ます。
場合によってはバルコニーや2階の大窓から家具を搬入することも出来るため、もし幅などを計測して搬入が出来ないようであれば、引越し業者さんなどに相談してみるのもいいかもしれません。
④スリッパ・手袋
通常新築の住宅は引き渡し前に一度、フローリングなどをクリーニングして汚れがないきれいな状態にして買主に渡せる状態にするという作業を行います。
しかし内覧会の段階ではそれがまだ行われておらずホコリやゴミが残ったままの状態である事が多いです。
その状態であちこちを歩き回ると足を汚してしまうかもしれません。足の汚れ対策としてスリッパを持っていきましょう。
工務店やメーカーによっては用意してくれる場合もありますが、念のため持ち物として考えておくことをおすすめします。
また、内覧会ではベランダやバルコニーの確認もすることにもなると思われます。
スリッパと一緒に靴を入れるための袋も用意しておくとなおいいでしょう。同じ理由で、汚れている箇所に触れるための手袋を持参するのもおすすめです。
⑤暑さ・寒さ対策グッズ
内覧会当日は住宅の設備や周辺環境等の説明で長時間過ごすことになります。しかし建物にはそのための環境が整っておらず、夏は暑く冬は寒い状態で話を聞くことになりがちです。
例えば内覧会の段階ではエアコンやカーテンは基本的にありませんし、網戸ですらオプションとしてついておらず虫が気になって窓が開けられない場合もあります。
夏場には飲み物やタオル、小型の扇風機などもあるといいかもしれません、冬には少し着込んで行きカイロなどを持参しましょう。
またお子様も一緒に内覧会に参加される際は、大人よりも寒暖差に対して敏感です。疲れた際に休めるように床に敷くマットなどを持ってくることもオススメです。
内覧会の途中で暑さや寒さを感じると「もういいから早く終わらせてしまいたい」と思ってしまいがちです。
内覧会はチャンスが一度しかない大切なイベントですので、そうなってしまわないようにするためにも体温調整には工夫をしていきましょう。
ちなみに近年では高気密高断熱を掲げている住宅が多く、「断熱性能の高い住宅だからエアコンがなくても暑さ(寒さ)は感じないと聞いているし、何も用意しなくて大丈夫じゃない?」と思ってしまいがちです。
しかし住宅に使用されている断熱材そのものには温度を上げたり下げたりすることは出来ないため、まだ人が住んでいない状態だと真価を発揮しないので注意しましょう。
より詳細に確認する為のアイテム
ここで記載するものは必ず必要というわけではありませんが、購入する住宅に不備が無いか調べる、よりチェックする為の物です。
⑥ティッシュ
ティッシュは換気扇の吸い込みが正常に作動しているかを調べることに使用します。据え置き型でなくてもポケットティッシュを持っていれば大丈夫です。
トイレや浴室、キッチンなどに設置されている換気扇ですが、スイッチを押すだけの大雑把な確認だと動作音だけを聞いて「あぁ、付いてるんだな」と終わってしまいがちです。
しかし実際は換気扇の音を聞くだけでは指摘の有無を判断できないことがあります。
例えば換気扇は吸込口から外に排気するためのダクトに接続するのが基本ですが、そのダクトが天井裏で外れてしまっていることがあります。
また浴室の換気扇は剥がさないといけない出荷時の内部フィルムが貼られたまま忘れられていることもあります。
これらの不具合を見逃さないためには音だけでなく、実際に吸い込むかどうかも確かめておかなければいけません。
スイッチを押した後、そっとティッシュを近づけて本当に空気を吸い込んでいるのか確認してみましょう。
⑦水
水は水分補給のためだけではなく、ベランダやバルコニーに撒くことで不具合を発見するのにも使用できます。
バルコニーやベランダなどでは雨が降った際には雨水が流れ、最終的にはドレンと呼ばれる排水口に流れていきます。
この雨水を適切に流すため「水勾配」という水を流すための傾斜が床につけられています。一見平らに見えますが、空のペットボトルなどに水を汲み窓の周辺から撒いてみましょう。
ドレンに向かって水が流れれば正常ですが、もしかしたらドレンに向かわず水たまりになってしまうかもしれません。
水が溜まると苔が生えやすく、水にずっと触れていると加水分解と呼ばれる化学反応でバルコニーの防水処置などが劣化してしまいます。
通常より早く住宅のメンテナンスが必要になる可能性もあるため、できれば調べておきたい箇所です。
⑧水平器
水平器は物の角度を大まかに調べるための道具です。
ホームセンターなどで1000円程度で買える小さなものでも傾斜の有無を簡易的に調べることができます。
前述したバルコニーなどの床に当て傾斜がついているか確認したり、室内の床で歩いていて違和感を感じるような箇所があれば当ててみて床が傾いていないか調べてみましょう。
しかしあくまでも簡易的に調べるための道具にすぎないので、高い精度の結果は期待できません。
もし住宅の傾斜が気になるようであれば、一度住宅調査などを検討されても安心につながると思われます。
特に住宅が擁壁の上に建っていたり、崖や川などが付近にある建物は傾きが生じやすい傾向にあり、安心して暮らすためにはプロによる高精度な検査を実施しておくのがおすすめです。
⑨携帯電話の充電器
実は携帯電話の充電器は住宅各所のコンセントが使えるか確認するのに使えます。
各部屋のコンセントに充電器を挿し、充電されていれば通電している証拠です。
一見地味な作業ですが業者に頼むとこれだけでもお金がかかります。節約にもなるので充電器を持参することをおすすめします。
注意点として、天井についている照明用のコンセント(ローゼット)やエアコン用のコンセントは200Vであるため、実際に使用する機器を付けてみないと確認ができません。
もし照明や機械を設置した際に不具合があったときは、内覧会後であっても施工店に問い合わせるといいでしょう。
絶対に忘れず持ってくるもの!
⑩図面(平面図)
内覧会では図面上に気づいた点を書き込んでおくことが非常に重要です。
内覧会は約1~2時間ほどの時間で行われますが、その中で設備機器の説明や各所の傷汚れの確認、ご自身で調べたい家具の配置や簡易的な建物のチェックなど、非常に多くの作業をこなす必要があります。
時間が押していて気が焦ったり、あれもこれもと手をつけているうちに覚えておくべき内容が頭から飛んでしまうことが考えられます。
図面上に情報を書き込んでおけば、後で見返した時にどこで何を思ったのかすぐに思い出すことができますし、施工店とのやり取りで後々の「言った」「言わない」問題の証拠になったり、家具の配置などを決める際の寸法を記載したメモにもなります。
図面にさまざまな情報を記載して持っておくことには大きな意味があるのです。
図面を用いた傷汚れのチェックは施工店側で行ってくれることが多いですが、自分でも必ず記録をとっておきましょう。
出来ることなら図面は同じもの2つほど用意し、「傷汚れ等のチェック用」「家具配置の参考用」で分けて記載すると後々見返した際の確認がしやすくてオススメです。
まとめ
内覧会を行うときに用意しておいた方がいい持ち物についてご紹介してきました。
内覧会の持ち物に「これがないとだめ」という必須アイテムはありません。
しかし内覧会は引き渡し前の建物の最終チェックの場です。どうせなら色々と気になる点をお伝えして修繕してもらいたいですよね。
壁紙やフローリングの傷は内覧会が終わった後では気づいても対応してくれない場合が多いので注意しましょう。
住み始めてから「あの時もっとしっかりと見ておけばよかった」後悔することがないようチェックしていただくことはもちろんのこと、より詳細に住宅の確認を行うことで更に安心できると思われます。
そのためにも、必ずチェックに役立つ道具を内覧会前に取り揃えておくようにしましょう。
内覧会同行で建築士が住宅を一緒に確認!
e−LOUPEでは内覧会に同行する住宅調査(ホームインスペクション)を実施しています。
内覧会時に建築士が同行し自分自身では調べきれない建物の傾斜や小屋裏、床下の進入調査などを行います。詳しい調査内容はこちらのページでもご紹介していますので、興味のある方は是非一度ご覧ください。
ここまで読んでくださりありがとうございました。素敵な住宅により安心を持てるよう、内覧会のチェックは万全に行いましょう!
「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。