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中古住宅の購入時に絶対やるべきこととは?住宅のプロが解説

2023.03.27
鳥居

WRITER

鳥居 龍人

二級建築士 e-LOUPEインスペクター

建築事務所を経て株式会社テオリアハウスクリニックに入社。前職での現場監督経験から、施工から設計まで幅広い知識と経験を持つ。現在はその経験をもとに戸建て住宅のインスペクション業務に携わる。JSHI公認ホームインスペクター。既存住宅状況調査技術者。

こんにちは。e-LOUPEの鳥居です。

今回は中古住宅の購入時にやるべきことについてお話ししていきます。

ぜひここで学んだことを生かし、失敗や後悔のないようにお役立てていただけると幸いです。

残置物の確認


残置物は中古住宅の売買でよく発生するトラブルです。

残置物は建物の引き渡しを行ったあとは買主側で処理を行う必要があり、そうなると当然余計な費用や労力がかかってしまうことになります。

もし売買契約の時点で売主が居住中であった場合、荷物をどうするのか必ず確認しておくようにしましょう。

ただし、残置物は必ずしも百害あって一利なしというわけではなく、場合によっては「残置物はこちらで処理するのでいくらか購入金額を安くしてもらえないか」と交渉ができることもあります。

仲介業者へ、交渉できるか確認してみましょう。

住宅ローン控除の申請(2023年3月現在)

住宅の購入者には負担を軽減するためのさまざまな制度が設けられており、その代表例が住宅ローン控除です。

中古住宅を購入した場合、入居した年から10年間、住宅ローンの年末の残高金額の0.7%が所得税から控除(納税後に還付)されます。

住宅ローン控除によって控除される額の上限は基本的に年間14万円(長期優良住宅や低炭素住宅は21万円)です。

住宅ローン控除の手続きは住宅を購入した翌年の確定申告で行う必要があります。忘れずに行うようにしましょう。

火災保険への加入

住宅は引き渡しの時点で売主から買主に切り替わります。もしもの災害に備え、火災保険には必ず加入しましょう。

ちなみに火災保険への加入は住宅ローンの利用条件でもあります。引き渡し日が開始日となるようにした上で忘れず手続きをしておきましょう。

境界の確認


物件の一戸建ての住宅では敷地の境界があいまいな場合もあり、隣人とのトラブルの原因となるケースもあります。

現地で売主や不動産業者に立ち合ってもらいながら確認をしましょう。

特に厄介なのは敷地境界の真上がフェンスや塀などになっている場合です。

隣地との共有物になりますので「劣化しているから綺麗にエクステリアを変更したい」と考えていても変更を拒否されたり、共同出資を断られてしまう可能性があります。

解決にはお互いの話し合いが必要不可欠ですが、そもそも引っ越してきたばかりでそういう話をするのも気が引ける、ということもあると思います。

その辺りのリスクを不動産業者が丁寧に説明してくれればいいのですが、そうでない場合もあるので注意が必要です。

境界とフェンス・塀の位置関係や老朽化の具合はしっかり確認しておきましょう。

設備や状態の確認

一見問題なくても実際は不具合が発生している場合も

中古住宅の現地確認では、物件の設備、引き渡し時の状態、現状の不具合、リフォーム履歴といった情報が契約通りかどうかを「付帯設備表」と「物件状況確認書」という2つの書類を見比べながら確認していきます。

自分の想像通りの建物かどうかを確認する場となるため、慎重に行う必要があります。

築年数が古くなかったとしても水回りはおおよそ15年ほどで何らかの不具合が生じてくる事が多く、最新式の換気扇ですら対応年数が10年となっているため、古い換気扇では対応年数を超えていることが多々あります。

物件を確認する際は書類だけではなく、実際に使えるのか調べることが非常に重要です。

しかし人が住んでいない中古住宅では電気や水道が止められていることが稀にあります。

事前に仲介業者に設備周りの状況が気になるから通電や通水をお願いできませんか?と一度確認をとりましょう。

建物の修繕計画

劣化に気づかず放置すると、将来の大きな損害の原因となる

中古住宅の購入はリフォームを前提としている方が多いと思います。

その際に気をつけてほしいのが「現在の建物の劣化状況」です。

劣化やメンテナンス不足による構造上の大きなリスクがあることに気づかずに内装や外観にばかり気を取られてリフォーム計画を作成してしまうと、予想外の出費が発生したりせっかくのリフォームが台無しになってしまう恐れがあります。

現在建物の各部位がどのような状態にあるのか、修繕は必要なのか、事前に必ず確認しておきましょう。

居住中の場合は必ずリフォームを考えていることを仲介から売主に伝えてもらいましょう。

場合によっては補助金の申請などで購入前にリフォームの見積りを提出しなければならないことがあり、その際は居住中の住宅に業者が入り「ここは壊す、ここは壊さない」などのやり取りを売主の前で行う場合があります。

「まだ売ってもいないのに!失礼な!」と激昂されてしまい購入を断られてしまったという話を聞いたことがありますので、リフォームを検討している際は事前に情報を共有しておきましょう。

第三者の調査会社によるホームインスペクションを行えば設備や状態の確認も含めまとめて実施することができます。もし「自分で確認するのは大変・・・」という場合は活用してみるのもいいかも知れません。

まとめ


今回は中古住宅の購入時にやるべきことについてご紹介してきました。

中古住宅は新築に比べて安価だったり好立地であることが多いですが、その反面さまざまな見えないリスクを抱えがちです。

入居前にしっかりと準備をして、安心して住み始められるのがいいですね!

 

「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。